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ニューメキシコ州ギャラップにかつて存在したTobe Turpen's Indian Trading Co.のお話

明日オンラインショップにアップするリングはニューメキシコ州ギャラップのトレーディングポストにて見つけたかなり古いチップインレイのリング4点です。

 

このリングにはどれもTTというホールマークが入っていて、このマークが気になり調べてみることに。

 

トレーディングポストのオーナー曰く、このTTというのはアーティストのホールマークではなく、かつてギャラップの町にあったTobe Turpen'sというトレーディングポストのオリジナルプロダクトとして使っていた刻印ではないかとのことでした。

 

たしかにこういうホールマークがあるんです。

アーティスト個人のものではなく、お店の名前や団体名のホールマーク。

過去にランニングベアというトレーディングポストのオリジナルプロダクトの”RB"アイテムを買い付けたことがありました!

おぼえている方いるでしょうか?

 

さて、調べるぞといろいろ資料を集めだしたら面白くって、気づいたら数か月が経過していました。

(これだからオンラインショップに登場するまでの道のりがいつも長い!)

 

Tobe Turpen's創業はなんと1939年。

創業者のお名前はTobe Turpen sir.

親族のトレーディングポストを手伝うところから始まり、ナバホ語を話すインディアンたちとのコミュニケーションは当時はかなり困難でそれはそれは大変な苦労があったようです。

1946年には、子供のころから父の仕事を手伝っていたというTobe Turpen jr.がお店に立つようになり、1956年にはお父様からオーナーを引き継いだとのこと。

1940年代〜50年代には撮影で訪れた映画スターたちがナバホラグやジュエリーを買いに来たんですって。

俳優時代のロナルドレーガン、マリリンモンローやジェームズスチュワートを接客したエピソードはいまだに語り継がれているのです。

閉店後も売れっ子スターたちのためにお店を開けて買い物に付き合ったんですって。

 

ハリウッドスターたちの影響もあり、1960年代には全米でのインディアンジュエリーの大ブームが巻き起こったらしいのです。

そしてこのブームは1970年代後半まで続いたそうです。

当時Tobe Turpen jr.と一緒に経営に加わっていた従弟のJim Turpenは過去のインタビューで、一日にスカッシュブロッサムが100点売れる日もあったと答えています。

ひゃひゃひゃくてん。。。今では想像もつきません!

そして、その当時はTobe Turpen'sに30人ものナバホのアーティストが専属でいたとのこと。

その時ナバホの人たちが使っていたホールマークこそがこの”TT”なのです。

今のように日々ナバホやズニのアーティストが持ち込むジュエリーだけでは、供給が間に合わなかったことが伺えます。

 

ナバホ族のアーティストTommy Singerがチップインレイの技術を確立したのがこの頃(1970年)と言われているので、おそらくこの年代で間違いないでしょう。

 

そして、1970年頃フリーウェイの建設のため、最初のお店は立ち退かなくてはいけなくなり、ギャラップの南側へお引越し。

移転先の住所を調べていた時のこと。

「あれ?この住所…今は違うトレーディングポストがあるところだ」

地図を照らし合わせてみると、わたしが昨年12月バルーンラリーのチケットをいただいたトレーディングポストの位置とぴったり合うのです。

 

そこでいろんな点と点がつながりました!

現在この住所にあるのは、Perry Nullトレーディングポストで、オーナーはPerry。

(昨年12月わたしにバルーンチケットを手配してくれた人)

 

1972年に引越ししてからTobe Turpen'sは1990年代半ばまで今の場所でトレーディングポストを続けていたとのこと。

1990年代半ばにはこの建物のまま、オーナーがTobe Turpen jr.からPerryへ交代。

今現在はPerry Nullトレーディングポストと名前を変えてギャラップの町で営業を続けています。

 

偶然手にすることができたチップインレイのリングのホールマークから、そのルーツを探り、本を読み漁り、インタビューの記事を探し、2時間以上のインタビューの音声を見つけ、古い地図を調べ、写真を手に入れ、昔の映画を観てはギャラップの町を訪れたスターたちに思いを馳せ、今とってもPerryに会いたくなっています。

 

当時の時代背景も含め、先人たちの大変なご苦労があって今日のジュエリーがあるんだなと改めてインプットできたような気がします。

このリングが作られた1970年代、華やかで賑わっていたギャラップの町を思うとこの後訪れる1980年以降のブームの衰退が恐ろしいのですが、その後大量のフェイク品が流通することにつながるんですよね。

その話はまた別の機会に改めて。

 

ホールマークTTの入ったチップインレイのリングは9/27(SUN)11:00〜オンラインショップに登場します!

https://sundaymarch30.com/